社員出演・社内ロケの企業CMでは、カメラや照明より先に、撮影できる場所と時間、映してよい情報、出演者の予定を整理してください。自社施設を使っても、通常業務と撮影が自然に両立するとは限りません。発注側の窓口が社内条件をまとめ、制作会社と共有すると、現場での判断を減らせます。
撮影場所は、広さだけで選ばない
会議室の写真がきれいでも、通路が狭く機材を運べない、会話の録音に空調音が入る、撮影時間に隣で会議がある、といった条件があれば撮り方が変わります。候補場所の写真に加え、利用可能時間、通常の人の動き、音、搬入経路を共有します。
撮影前の下見では、会社側の施設担当者にも条件を確認してもらうことをおすすめします。電源の利用、設備への接触、通路の確保、立入制限などは、現場で都合よく変更しないでください。工場や実験施設では、施設側の安全ルールと担当者の指示を優先します。
発注側で用意したい撮影準備表
| 準備項目 | 決めておく内容 |
|---|---|
| 場所と業務 | 使える部屋・時間帯、周囲の業務、来客や配送との重なり |
| 出演者 | 出演できる時間、担当業務、衣装、伝えておきたい配慮事項 |
| 画面内の情報 | モニター、書類、ホワイトボード、名札、背景の商品 |
| 撮影する物 | 最新版の商品、予備、ロゴデータ、制服、必要な道具 |
| 当日の窓口 | 映像の確認者、商品情報の確認者、施設・安全の担当者 |
| 予定が変わった場合 | 出演者の不在、業務の延長、撮影場所が使えない場合の相談先 |
社員には、完成台本だけでなく撮影の目的を伝える
社員出演の準備では、覚えるセリフを配る前に、何を伝える映像で、どんな場面を撮るのかを共有します。インタビューなら、質問のテーマや話してほしい具体例を渡し、文章を丸暗記するかどうかは演出方針に合わせて決めます。
自然に見せたい場面ほど、本人が仕事を説明できる時間をつくることが大切です。「普段その道具をどう使うか」「顧客へ説明するとき何から話すか」を聞き、その人が実際に行える動きから構成を考えます。慣れない動作を、映像の都合だけで無理に行わせないでください。
出演を負担に感じている人がいないか、公開先や使用予定が伝わっているかも社内で確認します。出演条件、社内手続き、個人情報の扱いについては、担当部門と個別の条件を整理してください。
映り込む情報は、撮影前に整理する
机上の顧客資料、画面の通知、掲示物、個人の名前などは、背景として意識されないまま画面に入ることがあります。撮影する方向ごとに、残すものと片付けるものを決めましょう。デモ画面を用意する場合も、実在する顧客データではなく、公開用に確認された内容を使います。
「編集でぼかす」ことを最初の対策にしないのがおすすめです。映り込まない配置にする、表示画面を切り替える、書類を入れ替える方が、完成画面を自然に保ちやすくなります。重要な情報の管理方法は、会社側の情報管理担当者に確認します。
当日の確認は、見る人ごとの役割を分ける
商品担当者は商品表示や使い方、広報担当者はメッセージや社名表記、施設担当者は安全と利用条件を確認します。全員がすべてのカットに別々の指示を出すのではなく、制作窓口が意見を整理して監督・制作担当へ渡します。
その場で決められない論点がある場合は、撮影を続けてもよい範囲と、決定を待つ必要のあるカットを分けます。必要な確認者が不在なら、確認できる時間と連絡方法を撮影前に決めておくことが重要です。
自社で撮る場合も、見積もりの前提をそろえる
自社の場所を使うことで抑えられる費用があっても、社内調整や片付け、撮影中に止まる業務などの負担は別に残ります。外部ロケと比べるときは、場所代だけでなく、移動、準備、利用時間、出演者の拘束を含めて判断します。
企画を相談する前に条件を整理したい場合は、CM制作のオリエンシートが使えます。社内への説明が必要な場合は、CM制作の稟議資料も参考にしてください。
自社の場所と人を生かしたCMをご相談ください
FILMOQでは、企業の事業や働く人を伝えるCM・ブランド映像の企画・演出・撮影・編集に対応しています。施設の写真、撮影可能な時間、出演予定者の人数、用途をお知らせください。
発行:FILMOQ株式会社。本記事は撮影準備の提案です。施設の安全条件は管理担当者、出演・労務・個人情報の法的判断は関係部門や専門家にご確認ください。