本記事は、東京・南青山の映像制作会社FILMOQ株式会社が制作・運営しています。当社自身も比較対象として掲載しています(末尾)。他社情報は各社の公式サイト・公式リリースで確認できた事実のみを記載し、確認できなかった項目は「非公表」「確認できず」と明記しています。金額は各出典の公開情報であり、当社が保証するものではありません。最終更新:2026年9月4日。
CM制作会社を比較する記事は数多くありますが、そのほとんどが2025年から2026年にかけて起きた業界再編を反映していません。社名が変わった会社、資本が変わった会社があります。この記事では、まずその地図の書き換えから入ります。そのうえで、費用相場、発注者が最も見落とす「考査」というスケジュールリスク、そして16社の比較を扱います。
- 2026年、CM制作会社の地図が書き換わった
- TVCMとWebCMは、何がどう違うのか
- CM制作の費用相場
- 制作の流れと期間──最大のリスクは「考査」
- CM制作会社16選
- 失敗しない選び方 5つの基準
- 発注前に必ず確認する7項目
- よくある質問
この記事を書いた人
早坂 亮輔(はやざか りょうすけ)映画監督/CMディレクター・FILMOQ株式会社 代表取締役
東京藝術大学大学院 映像研究科 映画専攻 監督領域修了。映画監督・黒沢清に師事。Sony・Google・Honda・Canon・ASICS・放送大学などのTVCM・WebCMを中心に演出。「映像作家100人」選出。長編映画『4/猫』(東京テアトル配給)で商業デビュー、監督作『The Unluckiest Girl in the World』がレインダンス映画祭 長編コンペティション部門に選出。この記事は、いまもCMの現場に立っている監督が、発注する側の視点で書いています。
1. 2026年、CM制作会社の地図が書き換わった
比較記事を読む前に、この3つは知っておいてください。2024年以前に書かれた記事は、いずれも反映していません。
| いつ | 何が起きたか |
|---|---|
| 2024年4月 | AOI Pro. と TYO の親会社「AOI TYO Holdings」が KANAMEL株式会社 に社名変更 |
| 2025年1月 | 電通クリエーティブX が電通クリエーティブキューブを吸収合併し、電通クリエイティブピクチャーズ(DCRP)に商号変更。旧社名で検索しても出てきません |
| 2026年3月 | KANAMEL が日本テレビホールディングスの完全子会社となることを発表。対象は AOI Pro.・TYO を含む国内外24社、株式譲渡の実行予定日は同年4月24日と公表されました |
出典:電通クリエイティブピクチャーズ 合併に関するお知らせ/KANAMEL 社名変更のお知らせ/KANAMEL 2026年3月19日 お知らせ/宣伝会議 AdverTimes
発注側にとっての意味は単純です。大手プロダクションの資本関係は、いま動いている最中です。長期の座組みを組む案件では、担当プロデューサーに現在の体制を直接確認してください。
市場のほうも動いています。電通「2025年 日本の広告費」によれば、インターネット広告費は4兆459億円(前年比110.8%)で構成比が初めて過半数を超えました。一方でテレビメディア広告費は1兆7,556億円・前年比99.7%と横ばいを保っています。さらにTVerなどのテレビメディア関連動画広告費は805億円・前年比123.3%。
つまり「TVCMが終わった」のではなく、TVCMとWebCMの両方を1本の設計として組める会社が必要になった、というのが正確な読み方です。
2. TVCMとWebCMは、何がどう違うのか
同じ「CM」でも、発注実務では別物です。特に媒体費と考査の2点は、予算とスケジュールに直撃します。
| 観点 | TVCM | WebCM |
|---|---|---|
| 媒体費 | 必須。15秒1本で関東キー局30万〜100万円。制作費より媒体費のほうが大きくなるのが通常 | 自社でコントロール可能。自社チャンネル掲載のみなら媒体費ゼロも成立 |
| 尺 | 基本的に15秒以内 | 10秒から数分まで自由に設計できる |
| ターゲティング | 不特定多数に届く | 媒体ごとに利用者層が異なり、絞り込める |
| 考査(審査) | 放送局の考査が必須。数週間〜3か月かかる場合がある | 放送局考査は不要(媒体側の広告審査はあり) |
| 制作費の目安 | 100万〜500万円(一般的なもの) | 10万〜300万円 |
出典:Crevo VIDEO SQUARE/TELECY/むびるプラス/slide lib
3. CM制作の費用相場
先に断っておきます。CM制作費には、公的統計も業界団体の公式相場も存在しません。以下はすべて制作会社・広告関連企業が自社メディアで公開している数値で、発信元によってレンジが異なります。出典を併記しているのはそのためです。「相場」という言葉を、根拠なしに使う記事は疑ってください。
制作費の全体感
| 区分 | 金額 | 出典 |
|---|---|---|
| テレビCM(一般的なもの) | 100万〜500万円 | Crevo |
| テレビCM(標準) | 500万〜2,000万円 | slide lib |
| テレビCM(大規模) | 2,000万円以上 | slide lib |
| ハイクオリティCM | 3,000万〜5,000万円 | Crevo |
| アニメーションCM | 50万〜300万円 | Crevo |
| 静止画・簡易制作 | 20万円〜 | VideoWorks |
| WebCM(シンプル) | 10万〜50万円 | slide lib |
| WebCM(本格的) | 50万〜300万円 | slide lib |
工程別の内訳──どこで金額が動くのか
| 工程 | Crevo公開値 | VideoWorks公開値 |
|---|---|---|
| 企画構成 | 3万〜35万円 | 10万〜35万円 |
| コンテ(台本)作成 | 5万〜10万円 | 企画費に含む |
| ディレクション | 5万〜25万円 | — |
| 撮影 | 5万〜80万円 | 10万〜80万円 |
| 編集 | 3万〜40万円 | 15万〜40万円 |
| MA(音声仕上げ) | 3万〜10万円 | — |
媒体費(放映費)──15秒1本あたり
ここは3つの出典でレンジがほぼ一致しています。数字として信用できる部分です。
| 放送エリア・局種 | 15秒1本の目安 |
|---|---|
| 関東キー局 | 30万〜100万円 |
| 関西・中京の準キー局 | 4万〜25万円 |
| 地方ローカル局・独立局 | 1.5万〜5万円 |
| BS放送 | 5万〜10万円 |
| CS放送 | 1.8万〜3.5万円 |
| タイムCM(1か月) | 50万円〜数千万円 |
出典:Crevo VIDEO SQUARE/VideoWorks/Skettt/slide lib/CMの窓口
タレント起用費
公開情報では、中小規模事務所のモデルで数万円〜数十万円程度、トップクラスの人気俳優で3,000万〜4,000万円以上とされています。「人気タレント起用プラン」を1,000万円〜と示している媒体もあります。ただし俳優個人の出演料は事務所も企業も公表しておらず、ネット上の個人名入りの金額はすべて推定値です。本記事では個人名と金額を結びつけた記載はしません。
実務上の注意点をひとつ。タレント・ナレーター・楽曲は「契約期間」で費用が発生します。期間が切れたあとに継続できないケースもあるため、二次利用の範囲は契約前に必ず詰めてください。
4. 制作の流れと期間──最大のリスクは「考査」
全体期間は、公開されている3つの出典で2〜3か月が最頻値です。ただし考査次第で上振れます。
| # | 工程 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | オリエンテーション | 目的・予算・納期の共有 | 打ち合わせ1回 |
| 2 | 企画・絵コンテ | 訴求軸の決定、シーン設計 | 約1か月 |
| 3 | キャスティング | 出演者選定と契約 | 数週間 |
| 4 | PPM | 演出・キャスト・衣装・美術・ロケ地の最終確認 | 数週間 |
| 5 | 撮影 | スタジオまたはロケ | 1日〜1週間 |
| 6 | 編集 | 仮編集・本編集 | 約2週間 |
| 7 | MA | ナレーション・音楽・効果音 | 約1週間 |
| 8 | 考査 | 放送局による業態考査・表現考査 | 数週間〜3か月 |
| 9 | 納品・放映 | 放送局へ納品 | — |
比較記事のほとんどが、この2つを説明していません。
PPM(プリプロダクションミーティング)は、発注者にとっての最終決定点です。企画・演出プラン・キャスト・衣装・美術・撮影場所を、広告主・広告会社・制作会社が撮影前に確認する場。ここを過ぎてからの変更には、原則としてコストが発生します。逆に言えば、PPMまでに言うべきことを言い切れば、後工程は荒れません。
考査には2種類あります。企業や業種そのものが放送可能かを見る「業態考査」と、CM表現が放送基準に適合するかを見る「表現考査」。これはスケジュール短縮がほぼ効かない工程です。金融・医療・健康食品・不動産など、規制のある業種ほど時間がかかります。制作会社を選ぶときは、実績本数だけでなく「その業種の考査を通した経験があるか」を必ず聞いてください。
5. CM制作会社16選
料金について先に事実を書いておきます。今回調査した大手プロダクションは、1社の例外もなく料金非公表でした。公開しているのは予算帯の区分を示しているCrevo程度です。「大手の料金表」を載せている比較記事があれば、その出典を確かめてください。
A. 総合・TVCM主軸(7社)
| 会社名 | 拠点/設立 | 得意領域(公式記載) | 料金 |
|---|---|---|---|
| 東北新社 | 東京・港区 1961年 | TVCM、プロモーション、外国映画・ゲームの日本語版(音響・字幕)、映画・番組制作、衛星放送。吹替と音響設備を自社で持つのが他社との違い | 非公表 |
| AOI Pro. | 東京・港区 1963年 | TVCM、デジタルコンテンツ、エンタテインメント。海外グループを通じた海外撮影・グローバル展開。KANAMELグループ | 非公表 |
| TYO | 東京・港区 1982年 | 広告映像の戦略立案・企画・制作。社内に複数の制作ブランドを抱えるプロデュースカンパニー型。KANAMEL100%子会社 | 非公表 |
| 電通クリエイティブピクチャーズ 旧・電通クリエーティブX | 東京・港区 2009年 | 映像とグラフィック広告を1社で両方持つ。撮影スタジオ・照明機材の自社運営、クリエイターマネジメントまで | 非公表 |
| 博報堂プロダクツ | 東京・江東区 2005年 | 8事業セグメント。CM単体ではなく店頭・EC・イベント・データまでワンストップで抱える「顧客化接点実装事業会社」 | 非公表 |
| ロボット(ROBOT) | 東京・渋谷区 1986年 | TVCMと劇場映画・アニメーションを同一社内で。IMAGICA GROUP傘下。キャラクター開発・IP保有まで | 非公表 |
| 太陽企画 | 東京・港区 1968年 | TVCM、WebCM、MV、映画・ドラマ。CG/VFX/EDIT/サウンドデザインを自社事業として保有。VR・ドーム映像も | 非公表 |
B. 映像表現・専門系(3社)
| 会社名 | 拠点/設立 | 得意領域(公式記載) | 料金 |
|---|---|---|---|
| ピクス(P.I.C.S.) | 東京・渋谷区 2000年 | MV・プロジェクションマッピング・空間演出が出自。アジア圏向けブランドムービーの実績を公式に公開している数少ない会社。IMAGICA GROUP | 非公表 |
| ピラミッドフィルム | 東京・港区 1978年 | 広告映像制作。2025年に生成AI活用の映像コンサル・制作事業「PYRAMID AI」を開始 | 非公表 |
| ギークピクチュアズ | 東京都内 2007年 | TVCM・映画・MV、イベント、CGI、IP開発、クリエイターマネジメント、著作権管理 | 非公表 |
C. WebCM・動画広告・運用型(5社)
| 会社名 | 拠点/設立 | 得意領域(公式記載) | 料金 |
|---|---|---|---|
| Crevo | 東京・港区 2012年 | 動画制作・動画コンサルティング。オウンドメディア「VIDEO SQUARE」を運営 | 予算帯を公開 〜49万/50〜99万/100〜299万/300万円〜 |
| LOCUS | 東京・千代田区 2010年 | 制作会社でありながら広告代理業と運用型テレビCM「FAST CM」を自社で持つ。累計2,000社・20,000本以上と公表 | 非公表 |
| プルークス | 東京・中央区 2015年 | 動画制作+広告運用+YouTube・TikTok運用代行までを自社で持つ動画マーケティング型 | 非公表 |
| モバーシャル | 東京・渋谷区 2007年 | 「デジタルビデオエージェンシー」を標榜。クリエイティブ/マーケティング/アカウントの3チームを全て内製。パーソナライズドビデオは他社にない差別化メニュー。約18,000本と公表 | 非公表 |
| ノバセル | 東京・港区 2022年 | 純粋な制作会社ではなく運用型テレビCM/効果可視化プラットフォーム。「TVCMの効果が測れない」という課題への選択肢 | 非公表 |
D. FILMOQ(当社)
FILMOQ株式会社
東京・南青山。映画監督が企画から演出までを一貫して担当するのが他社との違いです。代表の早坂亮輔は東京藝術大学大学院で黒沢清に師事し、劇場用長編映画とTVCMの両方を撮っています。代理店を介した大型案件から、事業会社との直接取引まで対応します。
実績:Sony(Vlog Camera ZV-E1)、Google(Chromebook/Pixel)、Honda、TOYOTA、Canon、ASICS、JINS、LIPTON、アサヒスーパードライ、エスエス製薬、牛乳石鹸、外務省、放送大学、Nikon、三井ホーム ほか。
料金:CM・広告映像は150万円〜。料金表はこちらで相場と併せて公開しています。
向いている案件:タレントに頼らず映像表現で差をつけたい、縦型ショートドラマとTVCMを同じ設計で作りたい、企画から相談したい。
向いていない案件:大規模なマス出稿の媒体枠買い付けまで一括で任せたい場合は、代理店機能を持つ会社のほうが適しています。
6. 失敗しない選び方 5つの基準
- その業種の考査を通した経験があるか。実績本数より重要です。規制業種なら特に。
- 媒体枠の買い付けを誰がやるのか。制作会社は原則、作るところまで。枠は代理店か、代理店機能を持つ会社が扱います。ここを曖昧にしたまま進むと、放映直前で止まります。
- 企画を誰が書くか。代理店が書いた企画を制作するのか、制作会社が企画から出すのか。後者なら、そのディレクターの過去作を必ず見てください。
- 二次利用の範囲が見積に含まれているか。タレント・楽曲・スタッフの権利は期間で切れます。Web転用・期間延長の条件を先に確認してください。
- PPMに誰が出るか。決裁権のある人が出られない日程なら、その日程は変えるべきです。
7. 発注前に必ず確認する7項目
- 見積に媒体費が含まれているのか、いないのか
- 考査の申請はどちらが行うのか、通らなかった場合の再制作費の扱い
- タレント・楽曲の契約期間と、期間終了後の扱い
- Web転用・SNS転用が初回見積に含まれるか
- 修正回数の上限と、超えた場合の単価
- 撮影が天候で流れた場合の費用負担
- 納品形式(尺のバリエーション、放送局納品フォーマット、素材データの引き渡し可否)
8. よくある質問
CM制作会社と広告代理店は何が違いますか
制作会社は映像を作るのが本業、代理店は媒体枠の買い付けとコミュニケーション全体の設計が本業です。ただし近年は境界が動いており、LOCUSのように制作会社が広告代理業を持つ例、ノバセルのように運用型TVCMのプラットフォームを提供する例もあります。「誰が枠を買うのか」を最初に確定させてください。
TVCMは最短どれくらいで放映できますか
公開されている出典では、企画から放映開始まで2〜3か月が最頻値です。ただし考査は短縮がほぼ効かず、業種によっては3か月かかることもあります。静止画中心の簡易なCMなら約1か月という例もあります。
大手と中小、どちらに頼むべきですか
規模ではなく案件の性質で選んでください。ナショナルクライアントの大型キャンペーンで、代理店・媒体・タレントが同時に動く座組みなら大手プロダクションが機能します。一方、予算を映像表現そのものに集中させたい、企画から一緒に考えたい、意思決定を速くしたいという案件では、少人数の会社のほうが噛み合います。
なぜ大手はどこも料金を公表していないのですか
CMは仕様が案件ごとに違いすぎるためです。撮影日数、ロケーション、タレント、CG量、納品尺の本数で桁が変わります。だからこそ、相見積もりを取るときは条件を揃えてください。同じ絵コンテ・同じ尺・同じ納品条件で出さないと、金額を比較したことになりません。
WebCMだけ作って、あとでTVCMに転用できますか
技術的には可能ですが、権利と考査の2つがネックになります。タレント・楽曲の契約に放送利用が含まれていなければ追加費用が発生し、放送基準に合わない表現があれば作り直しになります。転用の可能性が少しでもあるなら、最初の契約時点で放送利用を含めておくのが安全です。
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CMの企画・演出をお探しですか。
FILMOQは、映画監督が企画から演出までを担当する映像制作会社です。TVCM・WebCM・縦型ショートドラマを同じ設計で組めます。企画のご相談だけでも構いません。
お問い合わせはこちら / CM制作の詳細 / 料金表
FREE / 企画提案
企画を見てから、決めてください。
FILMOQでは企画のご提案とお見積りを無料でお出ししています。企画コンセプト案・簡易プロット・参考ビジュアルまで出しますので、金額だけではなく「実際に何ができるか」を見てから判断できます。他社と比較検討中でも、予算や時期が固まっていない段階でも構いません。企画をご覧いただいたうえで、お断りいただいて問題ありません。
一次返信は1営業日以内。企画案は最短で当日、目安3営業日以内にお出ししています。作品に合う色を決めて、画のすべてをその色で描きます。
CM・WebCM制作 ・ ショートドラマ制作 ・ 料金表 ・ 地方CM・ローカルCM制作 ・ 代理店を通さず直接依頼する方法 ・ 企画・演出だけを依頼する方法 ・ CM制作の予算別ガイド
