WebCMと縦型動画は、撮影前から両方の使い方を決めておけば、同じ撮影で素材を用意できる場合があります。ただし、横型の完成映像を中央で切り抜けば済むとは限りません。人物の位置、商品の見せ方、字幕、ストーリーの順番を、それぞれの画面に合わせて設計します。
先に決めるのは「媒体名」ではなく納品物の組み合わせ
「YouTubeとSNSで使いたい」という依頼を、制作するファイルの一覧に置き換えます。同じ媒体でも掲載場所によって画面や用途が違うため、媒体名だけでは制作範囲が確定しません。
Google広告の動画視聴キャンペーンの公式ガイドでは、横型16:9、縦型9:16、正方形1:1が推奨される比率として示されています。ただし、これは当該キャンペーンの案内です。尺や入稿条件は、実際に使う広告商品・掲載面の最新仕様で確認してください。出典:Google Ads Help「About video views」
| 制作物の例 | 役割 | 撮影前の確認 |
|---|---|---|
| 横型の主映像 | 使用場面と商品の魅力を描く | 人物と背景の関係、横に広がる動き |
| 縦型の短尺版 | 一つの場面や反応から興味を持ってもらう | 人物と商品が同じ画面内で読めるか |
| 冒頭違いの版 | どの導入が伝わるかを比べる | 違うセリフや商品カットを撮っておくか |
| 字幕・文字なしの版 | 掲載先や言語ごとの再編集に備える | 音声、文字、ロゴを分けて管理する範囲 |
この表は設計例で、すべての案件に全種類が必要なわけではありません。公開予定のない派生版まで増やさず、使用場所と担当者が決まっている版を優先します。
横型の切り抜きだけでは困る三つの場面
二人の会話。横に離れた人物を同時に見せる構図は、縦型でどちらかが外れることがあります。縦型では一人ずつの表情をつなぐのか、立ち位置を寄せた別カットを撮るのかを、絵コンテの段階で検討します。
商品を渡す動き。横方向の移動が画面の外で終わると、何をした場面なのか伝わりません。縦型用に手元を別撮りする、カメラを振り直すなど、意味が残る撮り方を選びます。
文字と顔の重なり。字幕を後から足す前提でも、顔や商品で画面が埋まっていると置き場所がありません。掲載面の操作ボタンや説明欄も確認し、主要な情報が隠れない位置で構図と文字を検討します。
共通素材にするカットと、撮り分けるカット
商品の寄り、手元、人物の表情などは共通素材として検討しやすい一方、横に広い空間や人数の多い場面は撮り分けが必要になる場合があります。全カットを二重に撮るのでも、すべてを切り抜くのでもなく、カット単位で判断するのが現実的です。
絵コンテには横型と縦型の枠を並べ、画面外へ出るものを確認します。撮影時に別の構図が必要なカットには印を付けておくと、現場で「縦型も欲しかった」と気づくのを防げます。撮影時間が足りない場合は、縦型を独立した短い場面で作る案もあります。
短尺版は、短く切る前に目的を絞る
主映像のすべての情報を詰めた短尺版は、理解する時間がなくなりがちです。たとえば主映像が「出会い、使用、変化」を描くなら、縦型版では「使用した瞬間の反応」に絞る、と役割を変えます。どちらを先に見ても成立するよう、商品名や状況を理解する手掛かりを残します。
冒頭だけを変えて比較する場合は、途中や最後も同時に大きく変えると、何が反応の違いにつながったか分かりにくくなります。制作段階で比較したい要素を決め、運用担当者へ各版の違いを渡しておくことをおすすめします。
追加費用の相談で確認すること
一回の撮影で素材がそろっても、編集、字幕、音、確認、書き出しは版ごとに発生します。「同時制作だから追加分は無料」とは考えず、共通にできる準備と、増える工程を分けて見積もりを取ります。
出演者や楽曲を使う場合は、横型・縦型の両方、広告と自社投稿の両方など、予定する利用範囲を最初に共有してください。使用条件は契約ごとに確認します。納品ファイル名にも媒体・尺・画面比率・版を入れると、誤った素材を公開するのを防ぎやすくなります。
CMと縦型動画の撮影を、まとめてご相談ください
FILMOQはCM・WebCM制作と縦型ショートドラマ制作に対応しています。使用媒体、必要な本数、希望公開日をお知らせください。共通素材で作る部分と、撮り分ける部分を整理してご提案します。
発行:FILMOQ株式会社。本文の制作例は設計上の提案です。媒体仕様は2026年10月13日確認。入稿前に掲載先の最新条件をご確認ください。